ゆま

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約束を交わした。
それは何気なく落とされた。別れ際に手を振る、そんな気軽さとともに生まれた言葉。
絶対だよ、そう答えて。手を振り返したあの日を鮮明に覚えている。
 
あれからずいぶん時は流れて、僕はすっかり大人になった。
 
夏休みの最後。
自転車にまたがった君の笑顔が、鮮烈な残響を残している。
ぶかぶかの麦藁帽。日焼けした肌に伝う汗。
あの日と同じように、夏を追いかけられたのなら――。
 
果たされないままの夢が、僕を今日まで生かしている。

 
【またいつか】

7/23/2025, 5:04:20 AM