茶茶葉

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「付き合って下さい」
高校1年もやがて終わろうとしているこの季節、街のランドマークで1つ上の先輩から告白された。春に一目惚れし、ずっと機会を伺っていたそうだ。
でも全然話した事もないならお断りした。
 翌年も、また翌年も言われた。年に一度だけの告白。好きなら好きでもっと短いスパンで言って欲しかったが、話す機会があっても告白はない。
 大学に進学しても相変わらず年に一度だけ。ここまでくると相手にも関心をもつのでお付き合いをした。大学2年の冬だった。
 それからも年に一度、必ず愛の言葉を私に言う。

 社会人になってもずっと恋人同士だった。すっかり情が移り、離れがたくなった。25歳の冬。すっかり寂れてしまった街のランドマークに行こうと言われた。
 ランドマークには何にもないけど、大きな赤い橋が掛かっていて、秋には紅葉が映える美しい場所だ。待ち合わせにもぴったりの落ち着いた場所。2人で寒空を歩いていると、ピタと彼が歩みを止めた。
「覚えてる?10年前にここで俺が告白してフラれたの」
「覚えてる。全然知らない人だったから断ったのよね」
「…俺は10年間ずっと君だけが好きなんだ。今も変わらない」
「うん」
「これから先も君だけを愛するよ。君とずっと一緒にいたい。毎年冬にここに来たい」
「うん」
「結婚しよう」
「うん…っ」




「この場所で」

2/11/2023, 1:20:37 PM