月綴

Open App



わたしには、おばあちゃんが編んでくれたセーターがある。もう小さくて着られなくなってしまった、お気に入りの。
そのセーターを着ているときは、なんだか護り神がいてくれるような無敵感があって、小学生の時のドッジボール大会とか、習い事の発表会とか、何かと気合いを入れるときに着てた。もちろん何もなくても着てた。あったかくて、ずっと大切なわたしのお気に入りだった。

サイズが合わなくなってから、そのセーターは箪笥の奥にいた。記憶の箪笥の中でも奥にしまわれていたのが引っ張りだされたのは、わたしがひとり暮らしを始める引越し準備をしていたとき。
セーターと一緒に引っ張りだされたあったかい記憶。それを大事に、わたしは日々を暮らしている。


おばあちゃん、お元気ですか。
わたしは最近編みものを始めてみました。
こ、こんな難しいことをやっていたの……?おばあちゃんすご…と思いながらいろんなものを編みすすめています。何だかんだたのしいです。
小さいころ編んでくれたセーター。とってもお気に入りでした。それを着ていたら何でもできるようなあったかさがあったのだけど、それは心を込めて編んでくれたおばあちゃんの温もりだったんだね。

最近手袋を編んでみたのだけど、仕上がりはでこぼこ。でも、出来上がったものを友人に見せたら「ぜひほしい」と。後日、その手袋をつけた写真が「とってもあったかいよ!✌︎」という一言を添えて送られてきて、心がほわっとあたたまりました。

編みものっていいね。
あたたかい贈り物をありがとう。

寒い日が続きますので、お身体お気をつけて。
またお手紙書きます。

11/24/2024, 12:56:05 PM