テーマ『星が溢れる』
7歳の頃、君と一緒に見たプラネタリウム。
北極星に目を奪われる君がかわいくて、ずっと眺めてた。
……なんて、恥ずかしくて言えないよ。
13歳の頃、キャンプで星空を見上げた夜。
別の班だったけど、君がこっそり来てくれたよね。
満天の星空に、夏の大三角形が眩しかった。
君の指先の熱を、今も覚えているよ。
16歳。高校で進路が分かれた僕ら。
18歳。まさか、同じ大学を選んでるなんて思わなかった。
また君と会えたのは、素直に嬉しかった。
だけど今、君の隣にいるのは僕じゃない。
六等星になっても、星はずっと輝き続けるんだったよね。
僕は僕の空で、輝いてみることにするよ。
大人になって、一人でキャンプへ行った。
ふと、子供の頃の記憶が蘇る。
君の横顔と、溢れるくらいに瞬く星々のきらめき。
テントの中でコーヒーを飲みながら、ふぅ、と白い息を吐いた。
オリオン座に、北斗七星。君が夢中になった北極星。
流れ星を見つけるたび、遠くへ行ってしまった君を思い出す。
今が過去になったとしても、僕は君を忘れないよ。
子供の頃の姿で微笑む君が、北極星を指さしてはしゃいでいるのが見えた。
3/16/2023, 9:14:09 AM