シュグウツキミツ

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二人ぼっち

何も見えない。伸ばした手の先も見えないほどの、闇。手を伸ばして周りを探りながら進む。でこぼこの壁、起伏の続く床。。壁伝いに歩いても、何度も足を引っ掛ける。
ゆっくり、ゆっくり、慎重に。
そうして歩いているうちに、ふか、と壁が変わる。
うわ、と手を引っ込める。あれ……この手触り……恐る恐る手を伸ばす……ふか……
なんだか暖かい。指を伸ばすと、根元に向けてところどころ固まっている。
毛足が長い……少し獣の臭い……規則的に動く……
もぞ、と壁が動いた。咄嗟に手を引っ込める。
同じところに手を伸ばしても……なにもない空間を通り……冷たい硬い壁に手が触れた。
さっきの柔らかい壁はもうない。
さっきまで二人ぼっちだったけど、また、一人ぼっちだ。
溜め息をついて、また、歩き始めた。

3/21/2026, 10:44:30 AM