私と同じ顔で、私と同じ性別で、
私と同じような年頃のひとが、
見知らぬ家で、見知らぬ人と微笑みあって、
見知らぬ赤子を抱いているのを見た
空に舞うほこりが
光を受けてきらきら輝く
まるで
スノードームの中の世界のような
そこが
過去にも未来にも、そして
平行世界のようにも見えた
西日の光で目が覚めた
狭いワンルームの小さなソファで
夢の中の彼女をおもう
私の胎に宿ることのない命をもつあのひと
私の隣には居ない人と暮らすあのひと
幸せそうだった
でも、うらやましいとはちっとも思わなかった
「真昼の夢」
7/16/2025, 5:42:17 PM