見咲影弥

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 ブランコに乗る人を押す係にニンメイされた。
 なんでわたしなのかは分からないけれど、今日突然そういうことになったらしい。ミチコちゃんが言ってた。
 
 あなたは乗る人乗る人の背中をゆっくり押してあげるの。そうして勢いがついた頃にそっと抜けてあげるといいわ。

 ミチコちゃんはおねえさんみたいに言った。わたしはミチコちゃんみたいになりたいと思ったから、その係を勿論セッキョクテキにした。

 ブランコ、みんな乗ってください。
 ブランコ、楽しいよ。
 ブランコ、押してあげるよ。

 来る人来る人に優しくしてあげて、そっと背中を押したげるの。とってもやりがいがあった。

 でもね、つまんなくなっちゃった。だってミチコちゃんはいないんだもん。いつもわたしをブランコに置いて、自分はほかのお友達とお砂場で遊ぶんだもん。

 あるとき、ミチコちゃんがお友達を連れてブランコに来た。

 私の背中を押してちょうだい。

 ミチコちゃんは相変わらずおねえさんみたいに指図した。むかついたから、ブランコの勢いが乗ってきたタイミングで、思いっきり突き飛ばした。

 ミチコちゃんは動かなくなっちゃった。

 まぁいっか。

 ミチコちゃんのお友達に話しかける。

「今日からミチコちゃんがブランコの係になったからね。わたしが遊んであげるわ」

おねえさんみたいに話してみた。ねぇ、どうかな?

ねぇ、どうしてそんな怖い顔してるの?

2/2/2024, 5:30:55 AM