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そういえば、気づけば2日後はもうクリスマス。
クリスマスといえば、恋人、家族、友達と楽しく過ごす日と言われているが、やはり一番はクリスマスプレゼントなのではないだろうか。
僕のクリスマスプレゼントの思い出は5歳で止まっている。
5歳までは、枕元の上にプレゼントが置かれていたのだが、それ以降は手渡しになった。
その時、僕は複雑だった。
サンタを別に信じてたわけじゃないけど、裏切られた気持ちになった。
けど、欲しかったものはもらえたわけで、別にもらう手段なんて関係ないのかもしれない。
けど、僕にとってそれは、驚きと嬉しさをくれた一種のサプライズだったんだ。
それが、淡々とした行為になって、やがてクリスマスプレゼントなのに、クリスマス以前に渡されて、なくなって。
僕の日常から少しずつ確実に、サプライズがなくなっていって、驚きという感情が欠如して。
日常が、ある程度決まった行為を繰り返すだけになってしまった。
どこから変わったのだろうか、何がキッカケだったのだろうか、もう僕には、分からない。
そして、それを考える必要性もない。
幼いときの記憶を思い出しては、もう会えない兄や母親と、昔の父親の優しさで胸が締め付けられる。
わかっていたいつかこうなることを。
わかっていたんだ。
わかっていても、やり直したいと願う気持ちは僕の心を蝕む。
あぁ、こんなことになるのならば、この記憶ごと消したい。
いや、感情がなくなればこんな思いをしないで済むのに。
なんて考えながら、決められた行為を毎日し続け、心は蝕まれていく。

        ―――end―――

         【幼き記憶】(プレゼント)

12/23/2024, 2:30:39 PM