「今日の天気は雨だな」
「うん」
「傘は?ちゃんと持ってきた?」
「うん、大丈夫。持ってきたよ。今日も一緒に帰る?」
「あったりめーだろ。ほら、行くぞ」
「う、うん。ところでさ……」
「ん?」
「……やっぱり、いいや。なんでもない。帰ろっか」
「なんだよ、変なやつ」
そう言って、口を尖らせる彼。僕はそんな彼の横を歩くのが大好きだ。ちょっと低めな声も、見た目はヤンキーっぽいけど、中身はすんごい優しい性格も――もっともっと好きな点はある。今日もまた、伝えそびれた。僕のこの想いを。
心の中はずっと大雨。傘なんかささずに、ずっと晴れるのを待っている。快晴の青空が広がるのを夢みている。
〜天気の話なんかどうだっていいんだ。僕が話したいことは、〜
5/31/2023, 3:54:54 PM