ある日、ある少年の家に手紙が届いた。
少年へ、
この手紙をかなたが見た時、どんなことを思っているでしょうか。
嬉しいのか、困っているのか、笑っているのか、泣いているのかすらわからないのです。
あの知らせが、あなたが「勇者」であることが知らせられた時、どんなことを思っていたのでしょうか。
不安、希望、困惑、光栄……さまざまな感情が嵐のようにあなたの心を震わせたことでしょう。
しかしあなたは旅立たなければいけない。
それがこの世界の宿命であり運命。
世界そのものの物語。
おそらくこの旅路は、世界の本質に触れるもの。
この旅で、楽しく、美しく、嬉しくなる、表側の世界の側面を見るでしょう。
同時に、残酷で、残忍で、苛酷な、裏側の世界の側面を見るでしょう。
しかし、どんな時でも私はあなたのそばにいます。
あの日、あなたが私を見つけてくれたあの日から。
八百万の神の一柱にすら数えられないような、ちっぽけな私を。
この手紙を通し、祝福を送り授けます。
あなたの旅路の果てに、光あらんことを。
これから旅へ向かう勇者へ
村の大樹の神より
1/31/2024, 3:32:44 PM