夫婦
『誰だって女の子はお姫様』なんて誰が言ったのか知らないけれど。片付けていた部屋から後生大事に仕舞われた懐かしい結婚情報誌を眺める。
所々に赤いチェック、古びた付箋に書かれたメモ、何よりもそこに書き込まれた詳細な数字を懐かしむ。
今ではとてもじゃないが着ることの出来ないサイズのウェディングドレスを着た美しいモデルたちに自分を重ねてその日を待ち遠しく夢みていた、そんな気持ちを思い出しては遠い日のように思った。
結婚は思ったよりも大変で、病める時も健やかなる時も慌ただしく過ぎていく。いつか怒れる日や嘆く日を数えた方が多かったかも知れない日々を呆れる様に困った様に笑いながら話すのだろう。
いつか自分がこの世をさる時、これを持っていきたい。
この本に、初々しく照れくさそうに写る二人の写真を挟みながら。
11/23/2024, 3:43:43 AM