詩栞堂―シカンドウ―

Open App

何事もない日々だった
ふとした仕草がついと目を引く
これが運命と云うものなのだろう
糸に手繰り寄せられるように
何度も夢に見た その瞬間

何事もない一日だった
「お仕えします」と跪いたあの日の記憶も遠く
かけがえのない筈の 特別な

これが運命と云うものなのだろう
蜘蛛の糸が絡み付くように
何度も夢に見た その瞬間
横たわるあなたを見下ろし
沸き上がる興奮に身を委ねて
振り上げた凶器を嬉々と煌めかす



特別な存在(3/23お題)

6/25/2024, 10:33:45 PM