この場所で
おばあちゃんの希望で今日もまた私はおばあちゃんと
いつもの公園に来た。
「旦那さんがね、この場所でプロポーズしてくれたんだよ。」
この場所に来ると、毎回幸せそうにおばあちゃんはいつも言うのだ。
「そうなんですね。何でこの場所だったんですか?」
私が、もう何回もおばあちゃんに聞いてきた台詞を今日もおばあちゃんに聞く。
「この場所でね、旦那さんとお付き合いを始めてから、初デートして、そして色々あったけど幸せにしてくれるってプロポーズしてくれんだ」
おばあちゃんは昔のことを楽しそうに話してくれる。
私は少しだけ寂しく思いながらも、いつもの台詞言う。
「きっと素敵な旦那さんだったんですね」
「えぇそうなのよ。ヘルパーさんは恋人は居ないの?」
「私は仕事が忙しいから、出会いがないんですよ」
「あら、そうなの。でも貴女は優しいから素敵な方が現れるわよ」
「そうですねぇ。いつかできるといいのですが」
苦笑いしながらおばあちゃんと話す。仕事に介護で今は忙しいのだからできるわけがないけど、おばあちゃんは楽しそうなのだ。
わざわざ水を差す必要もないだろう。
でも、いつも思うのだ。この場所でプロポーズしてずっと覚えで貰ってる、おばあちゃんを置いて逝ったおじいちゃんがずるいなと。
おばあちゃんは私のこともう分からないから、私のこと孫じゃなくてヘルパーさんとして認識してる。
この場所は、おじいちゃんだけの思い出だけじゃないのに。
私もおばあちゃんたちと遊んだ思い出もあるのにと思うと寂しい、でも私はおばあちゃん、おじいちゃんが大好きなのだ。
私のことをおばあちゃんが忘れても二人のこと覚えていよう。
「おばあちゃん、もう冷えて寒くなってきますので、また明日来ましょうね」
「あら~明日も来れるの?嬉しいわ!ヘルパーさんとの思い出もできるわね!」
おばあちゃんは今日もニコニコと嬉しそうにしてくれる。
この場所でおばあちゃんと今日も約束する。
明日も来れるようにと、願わくば少しでもおばあちゃんとこの公園に多く来れますように。
2/12/2026, 3:48:15 AM