苑羽

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昔から、女の子扱いされるのが苦手だった。
家事の手伝いをすれば、流石女の子だねえと言われる。
久しぶりに会った親戚には、女の子にしては背が高いわねと言われる。
スカートが欲しいと言えば、女の子らしくて素敵だねと言われる。
おかしい。何かがおかしい。
どうして誰も気がつかない?
最初は小さな歪みだった。それが、じわじわと私の心を侵して行って、もう抑えが効かなくなってきた。
ふざけるな。
確かに私は女として生まれてきて、女として生きてきて、これからも女として生きていく。
性的コンプレックスを感じているわけではない。
スカートも、キラキラしたハートも、リボンも、ピンクも大好きだ。
でも、それが俗にいう「女の子像」として扱われるのが堪らなく嫌なのだ。そんなものには虫唾が走る。
私がおかしいのだろうか。だって、みんななんともないような顔をして生きている。
毎年三月三日、こちらを見つめる雛飾りは、私を縛り、閉じ込め、決して赦してはくれない。

3/3/2024, 12:04:36 PM