ちる

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大きく手を振った
向かいのホーム

君は気がついて
小さく手を挙げた

上り と 下り
それぞれに乗り込んで
ベルの音に唇を噛む

【行かないでと、願ったのに】

あの春が、嘘みたいに
穏やかな冬がきて

いま、一枚の毛布の中
君に触れて眠る

あの日
行かないでと願ったのに
走り出して君を連れ去った列車が
僕を君へと運んでくれた



次の季節には
ふたりで向かおう

変わらないオレンジに揺られながら

11/3/2025, 10:28:31 AM