『叶わぬ夢』
その言葉はたぶん、世間一般的には負のイメージを持つフレーズなのだと思う。
── 挫折、失敗、無謀な高望み
どう言い繕ってみたところでプラスの響きなど存在しない、あまりに否定的な冷たい音。
けれど、
「あるだけ羨ましい、けどな」
個人的には夢を見られるだけ恵まれた環境であると、そうなにとなしに思った。
だって、少なくとも夢としたい目を焼くような光を映したことがなければ、理想がなければ潰えることすらない。初めから持たぬものなら失うはずもなし。羨むことすら叶わない、手を伸ばすことも許されない、そんな薄情な現実は世間にありふれているのだから。仮に掴めなかったところで挑戦する権利があっただけ幸せなのだと。
「そもそも、まだチャンスはある癖に」
簡単に諦めるその物分りの良さは、大っ嫌いだった。
テーマ; 【叶わぬ夢】
3/17/2025, 12:06:20 PM