夏(初夏の方が適切かも)といえば、蛍を見に行ったことを思い出す。
小川と呼ぶにも小さな清流で淡い光がいくつも浮かんで明滅する様は、月並みな表現だけど儚く美しかった。
儚いものは、どうしてあんなに美しく見えるんだろうか。
年に一回花を咲かせ、すぐに散ってしまう桜の花。
晩夏になると聞こえだし、短い秋と共に消えてしまう虫の声。
空からヒラヒラと舞い降りてきて、掌の上ですぐに溶けてしまう雪片。
どの季節にも儚く美しいものが存在する。
そんな美しいものたちに想いを馳せることが出来るだけのゆとりを
ガラス細工のように脆く儚い心に残しておきたい。
6/28/2023, 11:41:57 AM