「くるな!くるなぁぁ!!!!」
敵は後1人、対してこちらは2人。途中どうなることかと思われたこの戦いももう少しの辛抱だったはずだが、そうはいかないらしい。
「来るなって言っているだろう!!!!!!!
死にたいのか!!!!」
「死にたくはないさ。それはお前も一緒だろう?」
追いかけた先は行き止まりだった。当然だ、俺がそう誘導したのだから。あいつは壁に追いやられると喚き散らかす。
「これが何か見えないのか!!!!!」
ピッピッピッ………
「………」
時限爆弾。やはりそうきたか。最後の最後で往生際の悪い敵だ。
「近づいたらお前の命もおしまいだ!!!!
わかったら目の前から姿を消すことだな!!!!」
「それはできない。その爆弾に巻き込まれて仲間が死なれちゃ俺が困る。」
俺はあいつに近づく。
「自分の命が惜しくないのか!!!!」
「生きて帰ればたいした問題ではない。」
「くそっっ!!来るな!!!やめろ!!!!!オレが全て悪かった!!!!謝るから!!!!だから近づかないでくれ!!!!」
「そうはいかないと言っているだろう。」
あいつの顔は涙と汗でぐしゃぐしゃになっていた。俺を近づけまいと必死なようだ。
「さっきから言っているだろう!!!!!
近づいたらお前も死ぬんだ!!!!!
オレから離れろ!!!!」
「俺の任務は仲間と敵の殲滅を終えて帰ることだ。」
俺はあいつの体についた時限爆弾を剥ぎ取り間髪入れずに後方へ投げる。落下と同時に音を立てて爆発した。
「わかったか。俺は任務完遂のためなら死ぬ覚悟だ。」
「悪かった。オレが悪かった。すまない。本当にすまない。」
腰を抜かしたあいつに手を差し伸べて立たせる。
「いいからとっとと立て。まだ敵は残っている。」
「俺の味方に時限爆弾を仕掛けるようなやつだ。生かしておけん。」
俺とあいつは最後の敵がいる部屋に向かう。
8/16/2025, 4:12:37 AM