NoName

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長い道程だった。
ここまでくるのにどれほどの時間を費やしたことか。
さあ、思い出に浸ってばかりもいられない。
ここからが本当の始まりなのだ。

「あ、そうだ」

やっと手に入れた大事な相棒を残し始まりの部屋に踵を返す。

「リセットなんだから消えりゃあいいのに、なんで残っちゃったんだろ」

大量に積み上げられた始まれなかった自分たちが闇い目でこちらを見ているのに笑顔で手を振り、閉じた扉に鍵を掛けた。




♯旅路の果てに

1/31/2024, 2:01:00 PM