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風が頬を掠める。

この風はどこからきた風だろうか?


木々の枝を揺らし、葉と遊んでいたのかもしれない。

遠くの草原を駆け抜けて、空飛ぶ鳥と追いかけっこをしたのかもしれない。

街行く人を冷えさせて「おお、寒い!」と言わしめているのかもしれない。

その一方で、共通試験終わりの受験生の疲れた心を浄化し寄り添っているのかもしれない。


そんないたずらな風が私を掠め、意味のない言葉を私の耳元で囁いた。そして、私の脇を、髪の毛の間を、足の間を駆け抜けていく。ただ、私を通過したという誰にも伝わるはずのない事実を背負って。

私は整えたはずの髪がすっかり乱れていることに気づいて微笑んだ。

1/18/2025, 2:12:00 AM