言の葉 音の羽

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僕は飛べない鳥。飛べない翼を持っている。

僕の最初の名前は「飛べない鳥」だった。
意味はそのまま。まるで、空に飛ぶことができない鳥のように、僕は成長できていないのだ。
僕には、愛も、自信も、強さも、自慢できることや人から与えられたものが何もない。だから、僕の翼には飛ぶ力が無いのだ。
ずーっと孤独に生きてる。僕には仲間がいない。信頼できるものは何にもない。全て失ってしまった。僕は最初から飛べなかったわけではない。僕の甘さが、現実の辛さが、僕から飛ぶ力を奪った。飛ぶことができる翼を奪った。今の僕には何もない。

そう思っていた。そう思うほうがずっと楽だった。信頼できるものを失くしてから、周りの環境との間に壁を作った。1人でいれば、誰かを傷つけることも、自分を傷つけることもない。自分が傷つくのも、誰かを傷つけてしまうのも嫌だった。怖かった。心を閉ざした。何も感じなくなれば、楽だと思ったから。もう辛い日々はうんざりだった…。

そんな中、僕の前に舞い落ちる、1枚の羽。それが僕にとっての希望だ。僕の心を開けようとする。僕が作った壁を壊そうとする。
「やめて!僕はもう諦めたんだ。未来に希望はない。今さら何も変わらない!!」
でも、教えてくれたんだ。未来に希望があることを。今ならまだ未来を変えられる。
一筋の光とともに、僕の前に舞い落ちてきた1枚の羽。とても小さなものだったけど、僕に情熱をくれた。その情熱が僕の心を刺激する。閉ざしていた心を開けられる。僕の作った壁を崩していく。視界が広がる。現実は確かに厳しいし辛い。けど、こんなにも明るかったんだ。

僕に力が蘇る。自信もっていいんだ。僕は愛されていたんだ。まだ弱い僕。でも、今の僕には強みがある。
ああ、どこまでも飛べそうな気がする。

試しに飛んでみる。何度も落ちそうになるけど、それでも必死に飛んでみせる。
「どこまでも、飛んでみせる…」
そうつぶやいて、遠くへ飛ぶ。

あてのない旅に出る。
「夢」という目的地に向かって―

11/11/2023, 10:41:20 AM