真夜中
風の音で目が覚めた。
閉めたはずの窓が開いている。
時計の針は2時過ぎ。
左隣はぽっかりひとり分の穴。
「ねえ」
ベランダに居るんだろう、そう思って声をかける。
「ねえ」
返事がない。
夜風に当たってそのままトイレにでも行ったんだろうか。
面倒だけど、ベッドから抜け出して大して広くもない部屋の中を見て回る。
いない。
「ねえ」
答えは無い。
ふいに衝動に駆られて、ベランダの下を覗き込む。
いない。
時計は2時30分を指した。
5/17/2023, 10:29:25 PM