銀時計

Open App

『遠い日の記憶』7/426
年々暑さを増す夏の、鬱陶しい程に照りつける太陽。
逃げ込む日陰もなく、自分の影に自分は入れない。
空の澄んだ青さに悪態をつきながら進む。
どこまでも風景の変わらない平坦な道だった。
そして、それはずっとこれからも。
夏の青色はずっと変わらないし、
日差しを受けながらも歩き続けなきゃいけない。

けれど、ポケットの中の飴玉はすっかり溶けていた。

7/17/2024, 2:32:33 PM