凛音。

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確かに好きだったのだ。
風に揺れるその黒髪も、弾んだような少し高めの声も、笑った時にできる目の皺も。全部が眩しいくらいに輝いていた。

貴方には別の好きな人がいると知ったのはつい最近の話。思いを馳せていた時間も、貴方はその子を考えていたのだろうか。

無駄な時間だったね、誰かはそう笑うけど。


確かにその瞬間だけは私と貴方を主人公にしてくれた。
大切な時間だった。

ー 失われた時間 ー

5/13/2024, 1:25:06 PM