らむね

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誰にとっても優しいことなんてあり得ないと思う。

最近よく褒めて伸ばすというけれど、部下がミスをしたとして、怒らないのは優しいだろうか。お客様が損害を被ったなら、お客様のために怒ってあげないのは薄情じゃない? 

自転車に轢かれそうな女の子を助けたとしましょう。その子がこれから誰かに酷いことを言ったとしたら、その誰かは女の子が入院してた方が酷いこと言われずに済んだのにね。

隣町の少年が八百屋の林檎を盗みました。家族に捨てられてどうしてもお金がなかったのです。飢えて苦しんでいたのに、捕まって前科がついてまた苦しんでしまいました。でも八百屋のおじさんも林檎が失くなってとってもとっても困っちゃった。その話を聞いた私は大変ねえと言いながら、どうでもいいのでハーゲンダッツを食べました。
さておじさんは誰を恨めばいいでしょう。少年ですかその家族ですか、それとも知らんぷりした私ですか、不公平な社会ですか。社会を憎め!でもその社会を構成してるのは誰だっけ。

世界中の全員に優しくしたいなら、まずは世界中の全員が優しくならなきゃ意味ないんじゃないでしょうか。でも皆が優しくなるためにはまず、誰かが皆に優しくしてあげないといけないんじゃないでしょうか。
優しくするのが先か、優しくなるのが先か、卵が先か鶏が先か、両方食べれちゃう親子丼って世界の真理なのかもしれない。

皆が身の回りの人に優しくする。たまに遠くの人にも優しくする。孤独な人は見捨てられる。けど歯車が上手く回れば助かる人もいる。
せいぜいそれくらいが限界で、でも利口ぶって諦めるわけでもなくて、その限界をめいいっぱい伸ばせるように生きていきたいな、と思った。

『優しさ』

1/27/2024, 11:04:09 AM