サーモン

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「ほらkissしろよ!w」
…。私は今好きな人とキスをしなくてはならない状況に陥っている。
ある日、愛海と私、海斗、そして私の気になっている人。龍馬くんと私の家に集まって王様ゲームをすることになった。ルールは一般的なもので、みんなで割り箸を引いて王様になった人が番号を言い命令を出す。王様の言うことは絶対。という至ってシンプルなルールだ。
「王様だーれだ!」
皆が一斉にそう言うと
「はい」
と隣から低い声がした。龍馬くんである。少しハスキーの入った声。大人の色気があってすごく、なんというか良いのだ。初めに言っておく私は声優オタク、声フェチだ。龍馬くんを好きになった理由の大半が声なのだ。そりゃ、性格も優しいしクールだしと惹かれるところは多いがやはり決めては声だ。中学生とは思えぬほどの色気のある声。そんな声で彼はこう言った。
「んじゃあ、一番と三番で腹筋百回」
「はあ?!腹筋百回?!」
あ、ハモった。どうやら王様の命令を受けるのは愛海と海斗らしい。
「頼むよ。龍馬ぁ!腹筋百回はきついよぉ!」
「そうだよ!百回はちょっと…」
「?。腹筋百回くらい普通だろ?俺は毎日やってるぞ?」
「ふぁ?」
またハモった。意外とこの二人気があったりして…。そんな呑気なことを考えていると、龍馬くんが口を開いた。
「それに…王様の命令は絶対…だろ?今は俺が王様だ。言うことを聞かない子には罰が必要だが…どうする?」
さすが龍馬くん。さすがドS。普段は大人しい龍馬くんだが時折Sな一面を見せる。そんなギャップがたまらないのだ。少し頬が緩む。
「畜生。罰ゲーム何されるか分からねぇし…」
「仕方無い…か、。」
数十分後
「はァ…はァ…あーづがれだぁー、。」
「二度とやりたくないわ…。」
「どうだ!龍馬やりきったぞ!」
「…。まあ、一人百回なんて誰も言ってないけどね。」
「はあ?!なんだと?…」
「俺は一番と三番"で"といったんだ。二人一緒で腹筋百回って意味だったんだがな」
「んだよそれぇ…。やり損じゃん…。」
「まぁ、言われた命令を勘違いしたのは私達だし、仕方ないわ。次行きましょ。」
「そうだな」
「王様だーれだ!」
「私よ!」
声を上げたのは愛海だった。正直愛海が出す命令はなんとなく見当がつく。男子、女子が共に二人ずつそして、王様ゲームという恋愛フラグ立ちまくりなことをしていながらそういう命令が出されないということはない。
「じゃぁあ。二番が一番がキスをする!で!」
「キス、、」
「…。キスか」
「お!その反応は一番と二番はサナと龍馬かな?」
サナとは私の名前だ。そして今に至る。とんでもねぇ命令を出してくれたもんだ。ちくせう。策士め…。
「はやく!はやく!kiss!kiss!」
そう煽り立てる海斗。こいつはほんっとに…。そんなんだからモテねぇんだよ。
「ki…。うん?」
「どうした?海斗」
「なんか今イラっとしたわ」
なんだ、コイツ。心でも読めんのか?そう呑気なことを考えてるといきなり手を握られた。
「ひゃっ?!」
思わず変な声が漏れる。
「王様の命令は絶対だ。さっさと終わらせよう。」
顔近…声…やばっ…////恥ずかし…
そして龍馬くんはキスをした。
私の手に。
「へ?手?」
「ちょっと龍馬!ルール違反よ!」
「何もルールを破っていないぞ。」
「kissって言ったじゃない!」
「命令通りキスしただろ。手に、」
「キスって普通唇と唇を重ね合わせてするものでしょ?!」
「いや、キスにも色々種類があるしキスする場所の指定みたいなのもなかったし、ルール違反ではない。そこに気づかなかったお前の落ち度だろう。愛海」
「ぐぬぬ…はぁ、、仕方ないわね。」
 
        -完-

2/4/2023, 2:33:05 PM