「君を探して」
どれぐらい時間が経っただろうか
電車に2人で乗って何本も乗り換えて
2人で歩いて、時には寄り道もして、
そんな平凡な時間が流れた。
安いアパートのベランダ、太陽が沈んだ頃彼が
「もし、僕が居なくなったら探してね」
そう言った。
彼はその数ヶ月後、突如消えた
彼と僕の荷物が沢山あったアパートには
元々居なかったかの様に、空っぽだった
いつもは、彼が笑って「おはよう」と言ってくれた
朝も、今日は、何も聞こえない
僕は服を着替えて、財布、携帯をカバンに詰めて
家の鍵も閉めず、走った
「はぁはぁ、はぁ」
何時間走ったかも分からない
ただただ走って、思い当たる場所に行った
最終的に行き着いたのは 夕日で少しオレンジ色に
なった海だった。
そこに彼は居た。
でも、もう遅かった、
「、、おやすみよく眠ってね」
彼は冷たく、真っ白な肌をしていた。
ずっと頑張って来たのだろう
「今までありがとう。また来世で」
3/14/2025, 4:39:25 PM