【泣かないで】
"泣かないで、きっとまた会えるから"
そう、僕に言い残し。
君は僕の世界からいなくなった。
君が僕の前に現れた毎日は、今まで何もなかった日常、そして僕の心に彩(あかり)を灯した。
君のいなくなった世界は、まるで暖炉から焔が消えたように静かな部屋にたった独り取り残された蝋燭のようで。
どうして、君はいなくなってしまうのか。人ひとりに与えられた命が永遠のものになれば良かったのに。
そう願えど永遠が続けば君の苦しみも永遠に続くのか?それならば、一層--。
「会いたいよ…、君に、」
呟きは暗く冷えきった部屋に虚しく消えただけだった。
11/30/2024, 10:22:42 AM