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刹那(オリジナル)

僕の恋人はすごく可愛い。
僕はベタ惚れだ。
何をしても可愛い。
目に入れても痛くないし、何があっても彼女の事を愛していると断言できる。
彼女といる時、世界はキラキラと輝いていた。
デートの記憶はどれも美しかった。

ある日、恋人が改まって僕に言った。
「私、男なんだ」
最初は言っている事が理解できなかった。
ポカンとしている僕に、恋人は証拠を見せた。

それは、まごう事なき証拠だった。
彼女は生物学的に男だった。

理解した刹那、僕の世界はガラリとその様相を変えた。
輝きは失せ、色褪せた。
何があっても愛していると思っていた恋人に対し、1ミリの愛も湧かず、嫌悪と憎悪が湧いた。
男だと気づかなかった己に失望し、男と楽しそうにデートをしていた過去を呪った。周囲が気づいていたとしたら己が滑稽すぎて、消えてなくなりたい。

世界は一瞬でこんなにも変わるものなのか。

僕は驚くとともに、どうしようもなく己が異性愛者である事を理解したのだった。

4/28/2026, 3:44:03 PM