二人ぼっち
大草原に寝転がってみる。
綺麗な桃色の茜空は何故か鼻がツンとするような思いをさせる。
横にいる彼女を見つめる。
「もう誰もいないんだね」
彼女が呟いた。
優しく手を握ってやる。
もうじきこの世界も終わるだろう。未来は発展しすぎた。そして滅亡するのだ。
お母さんもお父さんもみんな死んじゃったと嘆く彼女。その姿は愛らしい。
遠くでサイレンが聞こえる。
最期に僕たちはキスをした。
火がこの大草原を焼き尽くす。
(最期にきみとふたりだけで、僕はー)
うれしかった、という前に、僕の意識は途絶えた。
3/21/2024, 11:18:13 PM