フィロ

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「涙活」という言葉が広く知られるようになってから、涙腺の弱い私はそれほど躊躇なく涙を流せるようになった

嬉しい涙も幸せな涙も、悔しい涙も悲しい涙も涙の理由が何であれ、どんな涙も心だけではなく体にも良いらしい
「泣いた後は何だかスッキリする!」というのはただの気のせいではなく、科学的根拠に基づいているものだと識れば
、ますます涙も流したくなる

ところが、最近は流れてくるニュースも心を締め付けるような見るのも辛いものが多く、気持ち良く流す涙より嗚咽しなが心の深いところから込み上げてくるような涙を流しがちだ


涙は流す理由によって、実は味が違うことも分かってきている
実際のところ、これは嬉し泣きだから甘いわとか、これは辛くて流した涙だからしょっぱいわ…とか、味覚で判断できるほどの差ではなく、涙の科学分析上の話ではある
それでも出来ることならやっぱり、幸せいっぱいの「甘い涙」を流したい



父が臨終の際、もう意識もほとんど無い中でひとすじの涙を流した
おそらくあれは、すべてを悟りこの世への未練を断ち切った後の、心に残ったものは感謝の気持ちしかなかったことを涙という形で私達遺される家族に送ったメッセージだったと私は思っている

私が今まで見た中で、一番美しい涙だった





『涙の理由』

10/11/2024, 12:26:42 AM