空気がより透明度をました日に小さな山に登った。稜線は緩やかに伸び、目をこらすと小さな樹葉が塊になって私に緑を認識させていた。道とも呼びがたい先人の足跡に目線を戻した時、自然と彼が目に入る。寡黙な彼は少し見上げた位置を歩いていて、彼のシャツは汗ばんだ体にぴたりと密着し、もう吸収することが出来ないと嘆いているようだった。もう少し。あともう少しでインスタントラーメンが食べられると思うと、涎が滲み出てきた。
7/8/2025, 2:50:17 PM