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「吹き抜ける風」


私と貴方の間を風が吹き抜ける。
それは、そのまま2人の心の温度を、空虚さを示している。

2人で居られれば楽しかったのに。
あっと言う間に時間が過ぎる位、楽しい時を過ごしてのに。
会えない時間が淋しくて、切なくて、毎日一緒に居たいと願っていたのに。

いつの間にか共に過ごす時間は義務となり、会話も苦痛が伴う様になっていった。
一緒に居ても、ときめきも安らぎもなく、ただ無為に時間を消費するだけになっていた。

一体いつからこんな風になってしまったのだろうか?
何かきっかけがあったのだろうか? 
逆にもしきっかけがあったのなら、何処かのきっかけで元に戻る事も出来たのだろうか?

今となってはわからない。
でも一つ、確かな事は。

もうあの頃には戻れない。
あの頃の気持ちも、熱量も、全てを失った今では、戻ろうとも思わない。
もし、もう一度やり直す位なら、きっと他の人を選ぶだろう。

隙間風が吹き抜ける私達は、この冷たい関係のまま、きっと終わりを迎えるだろう。
そして、その日が来ても、心は全く動かずに涙一つ見せずに終わるのだろう。

淋しい終わり方だと自分でも思う。
でも、続ける方が苦痛だから。
人生は、より良い方を選ぶか、より嫌な方を切るか。
その2つでしか選べない時があるから。
だから、サヨウナラ。

11/19/2025, 11:55:39 AM