お題『赤い糸』
ついに念願の彼とお付き合いすることができたわ。
彼は背が高くて、顔が整っていてどこかの俳優に似ていて、おまけに年収が高い。将来的に出世するだろうし、私は食べるのに困らず、皆から羨ましがられる生活を送ることができると思うの。
私はなぜか自分の小指の先から伸びる赤い糸が昔から見えるみたいで、実は彼と繋がってない。
伸びた先がよりによって冴えない性格もじめじめした頭髪がさみしい太った男だった。今も私の小指からは別の方向に糸が伸びている。まだつながってることが腹立たしい。
今付き合ってる彼からはどこにも赤い糸が伸びていない。だいたいそういうやつは誠実な恋愛が出来ないって相場が決まっているけど、彼は真面目だし、そうならないよね。だって「付き合うのは私が初めて」って言ってたし。
私は付き合った瞬間に彼が住んでいる部屋におしかけ、今日も彼をつなぎとめるためにたくさん彼に尽くすの。
もちろん、ゼクシィを見える所に置いておくことも忘れずにね。
7/1/2024, 3:44:56 AM