300字小説
カエルの王子様
むかしむかし、あるところに美しい王子様がいました。王子様はとても女好きで子供の頃から婚約したお姫様がいるにも関わらず、貴族から庶民まで、あらゆる娘を好きになっては、また違う娘を好きになるということを繰り返してました。ある日、娘の一人が魔女に頼み、王子様をカエルに変えてしまいました。反省した王子様は愛するお姫様のKissで元の姿に戻りました。めでたしめでたし。
殊勝な態度を取ったのはほんの数年だけ。いつの間にか彼から違う香水が漂うようになり、寝室も別にされ、何日も外泊するようになった。
「やはり屑は屑だったようだね。で、今度は本物のカエルに変えて良いんだね」
「はい」
にっと笑う魔女にお姫様は頷いた。
お題「Kiss」
2/4/2024, 11:45:43 AM