紗夢(シャム)

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【特別な夜】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

1/21 AM 3:17

「……眠ったみたいだな」
「……そうね」

 さっきまで魘されていた暁の
 静かな寝息が聞こえてきて安心する。
 暁の希望で、右手はオレと、左手は宵と
 繋いだままだ。

「宵も寝なよ。暁のことは
 オレがもう少し見てるから」
「心配性」

 宵の言葉に小さく笑う。

「……何?」
「いや……、宵だって随分動揺してたのに」
「っ……、しょうがないでしょ。
 普段は能天気な姿しか見てないんだから」

 確かに、暁はいつも明るくて、
 にこにこ笑っている印象が強い。
 だからこそ驚いた。
 子供の頃からお互いの家に寝泊まりする
 ことは幾度もあったのに、あんな風に
 魘されている所を見るのは初めてだったから。

「……オレは知れて良かったと思ってる。
 まだオレ達にも、暁のことで
 知らないことがあったんだっていうことを」
「……無駄に元気に見えるけど、本当は
 体弱くて風邪引きやすかったりするしね。
 具合が悪くて1人で寝てる時、今までも
 ああして魘されることがあったのかしら」

 そういう時こそ甘えなさいよ、バカね、と
 呟く宵の声が優しく響く。
 オレ達は、何度も特別な夜を3人で過ごして
 来たと思うけれど、今夜もまた、
 そんな特別な夜だったんだろう。

1/22/2023, 9:50:05 AM