かたいなか

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新年も2日目をそろそろ終えるこの頃です。
「ここ」ではないどこか、別の世界の厨二ふぁんたじー組織「世界線管理局」は、
たまたま、妙な偶然から、あるいはご都合のお約束から、「こっち」の世界とよく似たカレンダーを使っている部署がありまして、
すなわち、世界線管理局の広報部、企画課の企画・運営班のことでありました。

「定刻になりました」

日本の新年に合わせて、企画課の優秀なエリートの面々は、大事な会議に臨みました。
「これより定例意見交換会を開催します。
まず広報部長、あけぼの部長に、挨拶を頂きます」

「諸君。新年、おめでとう」
静かで重々しい、しかし間違いなく力強い男声が、
心持ち薄暗い気がしないでもない室内に響きます。
「諸君ら企画・運営班の勤労ぶりは、この私、あけぼのもよく知るところである。

諸君らの知るとおり、我等、管理局の最終的な稼ぎ頭は、間違いなくプロアイルルス経理部長だが、
5つ存在するそもそもの原資の、そのひとつこそ、諸君らによるソーシャルゲーム事業である」

ご苦労。ただただ、ご苦労。
あけぼの部長はゆっくり、部下を見渡しました。

彼等、企画・運営班は、これまで約10年続いてきたソーシャルゲームを通じて、
それとなく、それと明記せず、世界線管理局の組織的理念や活動内容を広報してきました。
そして、新年を迎えた本年、企画・運営班は満を持して新しいゲームアプリをリリースするのです。

世界線管理局がどのような組織か、
何を守り、何を整備し、何を取り締まっているか、
そしてなにより、なぜ世界線管理局という世界が必要とされているのか、
フィクション、異世界、2次元の偽装をかぶって、引き続き、こっちの世界に広報するのです。

企画・運営班の本当のメインは、ゲームアプリ運営による課金収入や広告収入ではありません。
別の世界で実際に活動している管理局の活動を、「こっち」の世界に、知らせること。

収入に関しては「付いてくればそれで良い」程度。
ゆえに、企画・運営班はただただ、自分が作りたいもの・見たいもの・動かしたいものその一点を、
往年も、新年も、突き詰めるのでした。

結果としてゴニョゴニョ以下略(後述)

とはいえ、間違いなく結果として、
世界線管理局が何者であるか、「ひとつのゲーム、ひとつのフィクションにおける設定」として、
間違いなく、浸透したのでした。

「新年も、諸君の活躍と貢献に期待している」
あけぼの部長が言いました。
「以上。さっそく、意見交換に取り掛かってくれ」
あけぼの部長は静かに、力強くそう結んで、
そして、部下たちを信頼して退席したのでした。

「これより、意見交換に」
意見交換に、移ります。司会役が言い終わる前に、
スッ、とハンドサインを挙げる者が在りました。

「あのな」
企画・運営班はただただ、自分が作りたいもの・見たいもの・動かしたいものを突き詰めます。
ゆえに、意見交換は結果として、
往年もそうだったように、
新年も、戦場となるのです。
「旧アプリの【ピー】比率、調べたけど、
【ピー】と比較してあからさまに【ピーピー】の方が【ピーーーーーーー】で、どないなん」

「あ?【ピー】こそ至高だろ何言ってんの」
「異議。【ア〜ン】も【オーゥ】も【わぁ〜ぉ】も不要。新アプリは健全路線で、
カップリングの余地を、すべてに残すべき」
「ハァぁ??」

企画・運営班はただただ、自分が作りたいもの・見たいもの・動かしたいものを、突き詰めます。
ゆえに企画・運営班の意見交換は、
往年も新年も、本当に、ほんとうに、再度明記しますが、 戦場と、なるのでした。

1/2/2026, 9:10:51 AM