《映る姿、写された姿》
(刀剣乱舞/山姥切国広)
「俺に、手鏡....?」
審神者に呼ばれ、何かと思えば手鏡を贈られた。
審神者曰く、"万屋で見た時に山姥切国広を彷彿とさせた意匠だったから"との事。
その鏡は銀製の手鏡で、山々と流れる川に舞い落ちる桜の花びらが彫られているものであった。
「写しの俺を"映す"鏡、か....」
そう呟くと、審神者は《またそんな事を》と苦笑をする。
いらない訳では無いが、使うかと問われると微妙なもので。
山姥切国広はしぶしぶ賜り、自室に戻った。
改めて見れば、確かに美しい彫刻が施されている。
やはり俺なんかには勿体ない代物に見える。
「写しの俺なんかに、何故贈るんだか.....」
霊剣・山姥切を模した刀、山姥切国広。
《写し》の自分を《映す》鏡なんざ必要ないと思っている。
けれど、いつか。もし、そんな考えを捨てることが出来る日が訪れるなら。
その時こそ、山姥切国広はこの鏡を気兼ねなく使えるのだろう。
8/18/2024, 10:29:20 AM