「わぁ〜!きれい!」
彼女の歓声に息が切れて下を向いていた顔を上げる。
「わぁ……」
小さな宝石を散りばめたような満点の星空に感嘆の声が漏れる。
「きれいだね!××!あっ、見て!流れ星!」
ぎゅっと握られた手を引き寄せられて彼女の指差す方向に目を滑らせた。流れる星と書いて流れ星。言葉としては知っていたけれど、見るのは初めてだった。夜空を泳ぐように光の軌跡を残す星達はこれまで見た何よりも綺麗だと思った。こんなに綺麗な星空の下で彼女と星を見ることができるなんて少し前まではミリとも思っていなかった。
「なんだ、お前ら流れ星見るの初めてか」
「あ、ししょう!来るのおそいよ!流れ星終わっちゃう!」
後ろから声をかけられて振り向くと師匠と兄弟子が歩いてくるところだった。
「流星群だからそんなに急がなくても終わらないよ」
兄弟子がゆるりと微笑み頭を撫でる。
「りゅーせーぐん?」
「そう、流星群。今流れてるこの星たちはね……」
兄弟子の長話が始まったので興味深そうに聞いている彼女を残して少し距離をとった。天体とか星座とか難しい話は少し苦手だった。
「おまえも聞いておいた方がいいんじゃないのか?」
「うるさいな、あとで××に聞くからいいもん」
頭に肘を乗せてにやにやとこちらを覗き込んできた師匠の顔を押しやって睨みつける。
「そんな可愛い顔したって怖かないね」
4/6/2026, 4:10:02 AM