瞳は遠い夢を見据えて声はハキハキとしていて服装から品格が溢れ髪や爪も綺麗に揃っているいつの日かそんなオトナになるのだと思っていた。正確には、そんな出来すぎたモノになれやしないが、そう目指すべきだとは、思っていた。目標と、本当の自分と。気付けばどちらともかけ離れてしまった今の自分がいた。満員電車ですれ違い樣の、誰かの「馬鹿だな」という軽口が、鼓膜を揺らし続けていた。お題「すれ違い」
10/19/2023, 10:59:35 AM