春の風

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貸してくれた本と同じ涼しさが香った。

夏の終わりのように残る
甘ったるさが心地よかった
熟した苺のようで、熟れない梅のようで
溶けない苦さが私を依存させた
1枚、また1枚
最終章まで終わらない香りの強さは
すれ違い消えていくあなたを思い出させた。

記憶の中で眠ることもせず
ふと通りかかる、顔も知らぬ誰かを追う
苦しさを知った
変わらない夏が来る

6/5/2025, 10:45:09 AM