風雪 武士

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誰もがみんな。

僕は児童養護施設の職員として勤務している。
入所して初めて担当した尚弥が18歳になった。明日いよいよ退所する。
「尚弥君、工場に就職が決まったんだね。おめでとう!」
僕は祝福した。
「ありがとう!嬉しいんだけど…。正直、不安なんだ…」
尚弥は心境を吐露した。
「どういったところが?」
「普通の人なら失敗しても親に守ってもらえるけど、僕には後ろ楯がない。社会に出たら部屋も借りて自分で生活しなければならないし…」
「誰もがみんな不安なんだよ。大丈夫!人生なんとかなるよ。困った事があれば遠慮なく、電話して来なさい。相談に乗るから」
「本当!!もしもの時はお金を貸してもらえるかな?」
「いいよ!でも借用書にサインしてもらうよ」
「う−ん、それはやめとこうかな…。怖いな…」
「とにかく真面目に頑張れば人生なんとかなるよ。自分を信じろ!」
「分かったよ!とにかく頑張るよ。ありがとう」
こうして一人の若者が巣立った。

2/11/2026, 9:51:00 AM