日差し
「眩しいね」
「眩しいねぇ」
強い日差しが差し込む室内は、ぶーん、と鳴る首振り扇風機のおかげで生暖かい空気が充満していた。
「暑いね」
「暑いねぇ」
じんわりとした暑さと肌にまとわりつく湿気が不快感を倍増させる。脳みそはすでに溶けてしまったかのように、彼女が口にした言葉を繰り返すばかりだった。
「……すき」
「好きだねぇ……ん?」
口から飛び出てきた言葉の意味に気づいて、驚いてそちらを向けば、そこには夏の暑さとは別の意味で真っ赤に染まる彼女がいた。
7/2/2023, 1:05:05 PM