前略
冬になったら銀化粧に沈んでみようと思います。
あなたの温度を知れる気がして。
あなたの影を見れる気がして。
あなたの後を追える気がして。
その時はどうか、私の手を離さないでくれると嬉しいです。
道に迷うといけませんから。
あなたの隣に居れなくては、意味がありませんから。
草々
冬になったらこうやって僕は意を決するが、
その度に星が煌めいて、月が明るく夜を照らす。
こんな静かな夜が醒めたとき、
僕なんかのせいで静寂を崩すわけにはいかないと、
言い訳を見つけては部屋でひとり眠りにつく。
ああこうやって、
冬になったら僕はあなたを恋しく思う。
春よりも夏よりも秋よりも、
冬になったら僕はあなたに会いたいと思う。
その度にまだ会えないことをつくづく実感して、
生きてることを実感して、
そこに愛を感じて、
そこに哀を感じて、
悲しくも悲しくも、あなたの笑顔が浮かぶのです。
銀化粧の空の下で一等美しく微笑む愛おしいあなたが。
11/17/2024, 11:26:55 AM