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いつまでも捨てられないもの

ずっと違和感があった
大人になるということはどういうことなのか、大人もきっと都合よく答えるこの疑問は今でもふとしたときに零れてくる
少し成長してから分かったことは、「大人になる」ということは結構曖昧なことだってこと
はっきりしたゴールがあるわけでもなくて、そこが折り返し地点になるわけでもない
ただ気づいたら大人になってるんだって
その「大人」がどんな人物像を抱いているのかはまだ分からない

私はつまらない先生の無駄話を適当に流しながら、あれこれ考えては嫌な気持ちになった
「もう君たちは大人なんだから」
この一言が嫌に引っかかる
私はもう大人なんだろうか
確かにもう、小学生の頃のような幼さは抜けているのかもしれない
それでもまだ「大人になっている」かもしれないという事実を受け入れたくないぐらいには子供なんだろうと思う
あまり大人になりたいとは思わない
きっと周りのみんなも同じ
「大人」って聞くと良くないイメージばかりが湧いて仕方ないんだ
私たちの周りにいる大人たちはみんなつまらなくて、みんな同じようなことを言う
理不尽なことには目を閉じて、何も言わないことが彼らの正解なんだ

私は大人になりたくない
そうすることが正解なんだと思いたくない
どうにもできないことから目を背けたくない
でもきっといつかは私も大人になる
都合の悪いことには目を閉じて、何も言えなくなるんだろう
そんな未来が怖いとさえ思う
まだまだ子供なのかもしれない
大人はもう幼い心を忘れてしまってるんだろうか
薄れてしまうものなんだろうか
少し悲しくなる
いつまでも捨てきれない私の幼さが嫌になる

8/17/2023, 11:02:13 AM