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砂時計の音

思い出ほど面倒くさくて、残酷なものはなくて
私の隣には今、何よりも大切で素敵な人がいるのに
彼の事を忘れられなくて
でも声も匂いも顔もぼんやりしてきてて
ただ、思い出と存在だけが消えなくて
でもいつか、そんな思い出も存在も薄れていく事で
砂時計の砂が音を立てて落ちていくみたいに
静かにゆっくりと私の記憶の中に溶けていって
いつか完全に分からなくなるんだろうなって
怖いし、そんなの嫌だって思うけど
私もちゃんと前に進めているんだなって思えて
いつかこの悲しくも嬉しくもない気持ちも砂時計の音みたいにピタリと止まっちゃうんだろうなって
ちょっぴり寂しい気持ち

10/17/2025, 4:49:59 PM