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マルゲリータことマルとはわたしのことだ。主から変わったにおいがしてから、主はあまり部屋からでなくなってしまった。
主はいつもさんぽに連れて行ってくれた。いつも笑顔で、最近は寂しそうな顔も見せていた。あの寂しそうな顔が原因なのか。わたしはてっきりコイワズライとやらだと思っていた。だが、わたしはなにも分かっていなかった。

あの香りがしてから早1年。主はあっという間にこの世を去った。それこそ、花が散るようにあっという間であった。
それこそ儚く、いうなれば呆気なく。主はわたしの日常から消えた。

それからの日々はあっという間に過ぎていった。主のいない日常は、つまらないの一言に尽きる。さんぽしてくれる人、おやつをくれる人、遊んでくれる人、その全てをわたしは失ってしまった。

わたしがもっと早くあのにおいに気づいていたら、何か変わっただろうか。所詮わたしは猫だ。伝えようがない。でも、自分の心の準備くらいはできた。主を忘れないよう、思いっきり甘えることもできたかもしれない。今は何もかもがもう遅いのだ。

主と最後に会ったのは1年前のひまわりの日。わたしも猫として成長した。でも自分が好みのオス猫をみたり、仔猫をもつ想像は全くしようと思わなかった。

今は、主の思い出に浸っていたい。立ち直るのは、もう少し先でも…主は悲しみませんか?

大好きな主。好きな物は、失ってから気づいても全てが遅かったのだ。

6/26/2024, 11:18:47 AM