「白い吐息」吐く息は白く、夜空に湯気を立てて消える。すれ違う人の波は、気忙しく過ぎて行く。キンッと鳴る寒さと静謐に、白い吐息が応えるようだ。常は静かなはずの夜の境内に、灯りと酉の市が立っている。時折、聴こえるのは縁起物にまつわる掛け声と手拍子。わっと上がる歓声と拍手が、凍てつく夜空へ吸い込まれていった。来る年には、より良き日々を願う。去る年には、労いと自愛を尽くそう。
12/7/2025, 10:47:03 AM