最低気温がまとわりつく夜中。
冷凍庫で氷に囲まれているような
刺すような寒さ。
手はかじかんで
上手く動かせない。
毎日毎日疲れた。
はぁ〜っとついたため息から
白い吐息が宙を舞う。
ひらりふわりと
のぼっていく。
あぁ、
私も連れて行って欲しい。
ここじゃないどこかへ、
まだ見ぬ世界へ、
現実を捨てれるほどの
非現実へ。
目を瞑れば
毎日夢見る景色が浮かぶ。
冷たい風は草を撫でるそよ風に。
大きな緑の山や草原は
想像が鮮明に再現してくれる。
小さな湖が所々あって、
少し遠くの方にお城もあって…。
そのお城には今は誰も住んでいないけれど
過去を語るように
ただそこにあって。
あぁ、そんな所に行きたい。
草原で寝そべって
大きな山に映る雲の影を見ていたい。
風の匂いを楽しんで
のんびり過ごしたい。
"Good Midnight!"
いつの間にか寝ていた。
目を開けると
そこはいつもと同じ場所。
私の家で
見慣れた景色と家具があって
冷たくて寒い。
さっきまで最高だったのに
今は最悪。
社会に少しでも貢献するなんて
私も随分つまらない人間になったなと
ぼんやり思う。
でも、
どんなに夢見ても
どんなに願っても
無理なものは無理なんだと
諦めきれるほど
大人にはなれなかった。
12/7/2025, 2:50:12 PM