Naninu

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今日?今日の心模様か…曇り…かな。
生きているとどうでもいいことばかり見てしまう気がする。何故人に頼ろうとするんだ。その程度自分で行動すればいいじゃないか。なんて、別に僕に言っているんじゃないんだから、そんなこと無視すればいいのに。何故僕は考える?何故人の気持ちを勝手に自分のものかのように捉えている?意味がわからない。何故?どうして?わからない。だから閉じこもる。キャンバスを立てかけて、絵の具を溶く。筆につける。だんだん周りが溶けてキャンバス以外の場所は曇っていく。さぁ、ここからは僕の世界だ。ここにはどうでもいいことなんてない。全てが僕のもので間違いないから。わからない?わかるさ。僕が創ってる世界なんだから。

あれ、?ふと周りが晴れた。僕の世界が周りと同じになってく。夕日が紅く僕の世界を染める。嫌だ、やめろ、僕の世界はこんなんなんかじゃない、違う、
「違う!!!お前らなんかに分かるはずがないだろう!!!!どうだっていいんだこの世界は!僕にとって僕の価値があるのは、その世界なんだ!僕の世界!僕だけの世界だ!!!わからない?わからなくていいさ!!言ってるじゃないか!僕の世界だ!!」
僕の声が放課後の美術室に響く。周りには誰もいない。それはそうだろう。期待していた美術部は幽霊部員ばかりで、顧問もやる気をなくしていた。今では僕が細々と絵を描くだけの部室になっているんだ。誰もいるはずがない。…叫んだって、僕の世界は誰にも見つけて貰えない。
僕と同じだ。なら…
「なら、価値は、ない?どうだっていいのは、ぼく、のほう、?」
周りには誰もいない。
夕日がもう沈みおわる。
キャンバスの上のまだ紅に染まったままの僕の世界と空に飛んだ。




_相変わらずの曇り。




__やはり世界は、僕は、どうだっていいみたいだ。





4/24/2024, 7:56:26 AM